Wien版Elisabeth 6/16(日)

久々の更新です。記事を書くのが億劫になってしまって、あれから見たいくつかの作品(Once,Chicago,Phantom of the Opera with Sierra Bogges,宝塚版ロミオとジュリエット東宝エリザベートwith Mate Kamaras,42nd Street)についてのブログは書けずにおりました。

今日は見てからしばらくたってしまいましたが、私がこよなく憧れて、見にいく一年半も前にチケットをとって見た念願の作品について書きたいと思います。

キャストが発表される前にチケットをとったのは私にとって異例の事。しかしチケット購入から一ヶ月後に発表されたキャストは、私の愛してやまない、ウィーン版のロミオとジュリエットでティボルトを演じたMark Seibertだったのです。 

彼を見る為だけに…というわけでもないですが、高校卒業の記念に母と二人でヨーロッパ旅行。その中間にウィーンに滞在し、エリザベートを観劇しました。

ショーを見る日の昼はシシィ・ミュージアムに立ち寄り、実在したシシィの事を沢山学びました。私が尊敬してやまないウィーンミュージカルのブロガー、spaさんもおっしゃっていたように、ミュージアムで昼間に止まっていた時間が、夜になって、ミュージカルとして動き出すかのようでした。


キャストについて。当日のキャスト表を見るまではヒヤヒヤしていましたが、当日も無事にMarkがTod(トート)を演じるという事で一安心。到着して配られたキャスト表を見てほっと胸をなでおろしました。
ウィーンの劇場はとても綺麗で品があって、外にバースペースが設置されていました。ブロードウェイや日本では会場の中に設置されている事が多い気がしますが、外っていうのも素敵ですよね。


ブロードウェイのように観光客がいないせいか、品のある服装をした紳士淑女が多いように感じられました。観光のガイドブックにも載っていないですし、本当にミュージカルが好きな人が集まる場所のような気がします。

会場の中で配られたその日のキャスト表はこちら。

Elisabeth...Annemieke Van Dam
Der Tod...Mark Seibert
Luigi Lucheni...RIccardo Greco
Kaiser Franz Joseph...Franziskus Hartenstein
Erzherzogin Sophie...Dagmar Hellberg
Erzherzog Rudolf...Lukas Perman
Rudolf as Kind...Radovan Jovic
Herzog Max in Bayern..Christian Peter Hauser
Herzogin Ludovika/Fr.Wolf...Merle Martens

さて。お気づきの方はいますでしょうか…。

そうなのです。なんとこの日のルドルフ 、本来発表されていたAntonではなく、あのルカス・ぺルマンが演じる事になっていたのです! 9月からのシーズンでルドルフを演じる事になったニュースは聞いていましたが、それがはやまって6月5日からもうルドルフをやっていたとかで…。まさかウィーン版のロミオとティボルトの共演が見られるとは思ってはいなかったので嬉しくて仕方がなかったです。しかもLukasとMarkは大学時代からの友人とかで…。最高のコンビです! ルドルフといえば、色んなシーンでモブとして登場するとかなんとか。今回こそは見逃すまいと、目を皿にしてさがしました!


では内容の方に。

まず最初、席が2列目だったのもあり圧倒的迫力に驚かされました。幕が上がった瞬間から、体に響くオケの音も、目の前で踊るキャストの迫力も何もかもがすごくて。感極まってその時点で号泣でした。 プロローグでの動きは日本に比べてさらに人形っぽい動きだなと感じ、その動きのキレの良さにも戦慄。 そしてルケーニに呼ばれ登場したMarkを見て、また目から滝のように涙がこぼれました。 もうなんといいましょうか!感無量ですね。 Markはツアーの時のCDよりさらにうまく、慣れているように感じられました。甘い歌声の中にある力強さ…そこにさらに安定感が加わって、色気がむんむん。 Mateの時よりさらにオケがロック調になっていたように感じました。 Annemiekeのシシィもかわいらしく、さすが若いだけあって、幼いシシィが似合っていました。 彼女の高音もツアーの時より安定していて、"私だけに"を歌っている時の声の伸びはとても綺麗だと思いました。
あ、そしてルカス。最初の親戚が集まっているシーンでもこっそり出ていたり、カフェのシーンでもひたすらコーヒーを飲んでいたり、ミルクでも民衆にまぎれていたり…!それもしれっとした顔で登場するので、思わず笑みがこぼれました。
第一幕の中で印象に残った事と言えば、愛と死のロンドでしょうか。これは今回のウィーン版から追加された曲だったので、Markが歌っているバージョンを聞くのがその時が初めてでした。以前誰かの感想でMarkのトートはシシィへの愛が足りない気がすると読んだ事があったのですが、その点は解消されたように思いました。Annemiekeのシシィに対するMarkの視線といったらもう…!こっちがうっとりしてしまうような表情でした。
外にあったポスターで言うとこのあたり…





二幕の最初ではルケーニが客席の間を歩きキッチュを歌いながら、お土産を投げるのですが…なんとこのお土産をキャッチ!!!



たぶんチョコレート?だと思うのですが、まさかキャッチ出来るとは思って居なかったので嬉しかったです。一生の記念品。 他にもルケーニが客席にいるマダムにウィンクしたりと、かなりノリのイイ場面でした。

二幕で個人的に一番よかったと思うのはやはり大好きなルカスとマークの闇が広がるでしょうか…。美麗な二人の一挙一動に目を奪われました。二人の歌声、ハモり、さすが長年友人をやっているだけあって息がぴったりだったと思います。魂を奪うキスの所とか、こっちが息が止まってしまう感じで…。とても素敵でした。

Annemiekeもこのころになると、エリザベートとして、女帝としての威厳が出てきます。彼女は高い声の方が得意な印象がありましたが、女帝としてしっとりと歌い上げ、表情も年老い、憔悴したように見えました。若いのにさすが…。 この時のフランツもかなり実力派だったように思います。彼の皇帝としての凛とした歌声と、エリザベートの歌声。私はあまり夜のボートのシーンは好きではなかったのですが、この時はじいんと胸に響きました。

と、時間がたってしまったのであまり細かく書けなくてごめんなさい。

この日の観劇の後は念願の出待ちをして、Lukas、Mark、ルケーニ役のRiccardoGreco、フランツ役のFranzikus Hartensteinと写真をとり、サインを頂きました。
皆優しく好青年でしたが、特にMarkに驚きました。あんなにクールでワイルドでカッコいい!イメージの彼ですが、舞台を降りた姿は優しくて、声もさわやかに甘い感じで…。たどたどしく英語で話しかけた私に優しく対応してくれて、「日本から来たの?今度そこへいくよ」と言ってくれました。残念ながら私はウィーンミュージカルコンサート2には今回参加出来ず見に行けなかったのですが、その折と今までの想いを込めたファンレターをMarkに渡しました。 あんなにビッグスターなのに気取らずファンを大切にしているウィーンのスターたち、本当にステキです。 Lukasも、日本にファンが多いので日本語で話せるようで、私たちが日本人という事に気付くと、「日本の方ですか?」と日本語で話しかけてくれました。ルカスは去り際に、「またね」と言っていってくれて、ああ、ウィーンミュージカルコンサート2で会おうと言うことか… と、嬉しいような悲しいような複雑な思いになりました。けれど、総合的に見て、もうなんとも言えないくらい幸せな観劇でした。またいつか、Markの歌声を生で聴ける日が来るのを心待ちにしたいとおもいます。

私をウィーンに連れて来た母へ、沢山の感謝をこめて。